約500人収容のホールに設置された緞帳(ステージ幕)は、幅が13.2m、高さが6.5m。抽象絵画のようなカラフルな絵柄は、人間国宝の芹沢銈介が原画を描いた。「陽に萌える丘」と名付けられたその原画には、流域の人々に大いなる水の恵みを与えてきた鶴見川と、その水からたっぷりの栄養を得た大地に強く繁る草木や花々が描かれている。

緞帳の原画「陽に萌える丘」(日吉の森庭園美術館所蔵)

そのモチーフとなったのは「鶴見川流域絵図」である。また、公会堂建設に伴う緞帳製作に関して、港北区と芹沢銈介を結び付けたのは港北区下田町にある旧家・田邉家の田邊泰孝氏。この緞帳が生まれた経緯を知り、その周囲を探っていくと、港北区の歴史と人々の物語が見えてくる。

鶴見川流域絵図

また、芹沢銈介の原画をもとに、実際の緞帳を製作したのは、京都にある織物メーカー「川島織物セルコン」だ。

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